双極Ⅱ型障害

 初めて診る患者さんで双極Ⅱ型と診断することは難しいと考えています。軽そう状態を見分けることは長くその人を見ていない限り、後で振り返って軽そう状態だったとは自信を持って言うことは不可能だと考えています。

 私自身も過去を遡ってあの時は軽そう状態だったと言うことはあります。それは海外旅行をしていたときでした。その1週間はテンションが高く、自身に満ち溢れ、何でもできる万能感がありました。残念ながら帰国してテンションは下がりましたが。

 双極Ⅱ型を診断する上で、一応判断基準として、①うつ状態が25歳未満にあったか、②両親のいづれかが躁うつ病であったか、③自殺企図の既往、④抗うつ薬で躁転の既往、⑤発揚気質などを聞いて当てはまれば双極Ⅱ型の可能性が高いです。うつ病の治療をしていて躁転をした患者さんは時々見かけます。しばらく治療していて双極障害と気づくことがあります。初めて診る患者さんは詳しく上記のことを聞きます。

 他院で双極Ⅱ型と診断されて疑問をもって当院へ来院される患者さんを多くみますが、2/3の人は双極性障害と考えられない患者さんがよく見られます。こういう患者さんは薬を減らして慎重に観察するように心がけるようにしています。

2016年01月14日